銀歯の中以外にも、別の箇所からの虫歯。セラミックで治療。

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デンタルアトリエ自由が丘歯科ブログ

2025.11.04

銀歯の中以外にも、別の箇所からの虫歯。セラミックで治療。

デンタルアトリエ自由が丘歯科の院長の小笠原です。

今回は銀歯の中の虫歯治療の紹介です。
銀歯をセラミックに変えたい希望の40代男性の方です。

10年以上前に虫歯治療で銀歯が入ったようです。
これまでに特に自覚症状はありません。

お口の中を見てみると、

上の奥歯の6番目と7番目の歯に小さな銀歯が入っています。
今回はこの2本を治療します。

手前の歯の方も見てみると、

4番目と5番目の歯にも小さな銀歯が入っています。
今回はこちらの2本は治療しませんが、古い治療では、何でもかんでも虫歯の箇所に銀歯が詰められてしまう時代がありました。
今から30年程前は銀歯やアマルガムという金属で虫歯治療するのがメインでした。今では白い保険材料で、レジンやキャドキャム(CAD/CAM)といった材料も使用されます。
しかし今でも銀歯は日常的には使われています。銀歯が悪いという訳ではなく、白い材料が良いという訳でもありません。

※このブログの最後に銀歯とレジンについて詳しいお話をしています(^^)/



早速、銀歯を削って外して確認してみましょう。
エックス線検査(レントゲン写真)で銀歯の中の状態は確認しています。

銀歯を外すと、すぐに見て分かる黒い箇所に虫歯が広がっています。
やはり銀歯の隙間から虫歯が侵入されているのが分かります。

この虫歯を取って銀歯をやり替えたら終わりかと言うと、そうではありません。

実は、「銀歯を白くしてもらった」という患者さんの中には、まだ虫歯が残っている場合も多くあります。
担当医が、詰め物を交換することだけに気合が入り、虫歯が見逃されてしまうケースです。
しっかりと事前にその歯を検査して、虫歯の状況を確認する必要があります。

今回のケースですが、銀歯の下だけでなく、他の場所から虫歯の侵入がありました。
どこでしょうか?

それは、隣の歯と歯の間からです。

中を削ってみると

中に茶色い虫歯の侵入があります。
もしこの虫歯を取らずに銀歯だけ交換したら、数年後に虫歯が広がり、再度虫歯治療をしなければならない可能性もあります。
しっかりと虫歯を取っていきましょう。

う蝕検知液という虫歯を染色するお薬を塗って虫歯の残りを確認します。
歯と歯の間の虫歯は、そこまで染色されず、広がりは少なかったです。
銀歯の下の虫歯は特に赤く色が染まり、虫歯が大きいのが分かります。

どんどん虫歯を取ります。

虫歯はどんどん横と、下に広がっていきます。
歯ぐきの近くまで虫歯が広がっている場合、細菌が感染して、歯ぐきにも炎症がでます。
歯ぐきから出血があります。

う蝕検知液で染色されない所まで進めると

このような状態です。
中に茶色い所が残っていますが、染色されないので虫歯ではありません。
無理に着色をすべて取ると、歯の中の神経が出てきてしまう恐れがあります。

虫歯が深かった箇所、削った表面をレジンでコーティングして、インレーが入るように形を整えます。

あとは歯型を取って、専門の歯科技工士にセラミックの製作依頼をします。

歯の色見本で歯の色を記録します。
手前の歯に銀歯が残っていますが、今回は奥の2本だけ行い、手前は後に行います。

後日、製作されたセラミックインレーを歯に取り付けます。

セラミックの歯がセットされました。
ズレなく一体型に接着され、どこを治療したか分からないくらいに綺麗に仕上がっています。
これで今回の箇所の治療は終わりです。

【治療費】
・セラミックインレー
費用:1本110,000円 (税込)
(別途型取り代がかかります)

ご相談をお気軽にお問い合わせください。

【施術の副作用やリスク】
治療中の仮の状態では食事がしにくく、仮歯が外れる可能性があります。
治療中または治療後に歯のしみや痛みを伴う場合があります。

 

《補足コラム》

最後に少し銀歯についてお話します。
逆に言えば銀歯で治療されていたから長期間安定的に状態を維持できていた可能性があります。
銀歯の耐用年数は一般的に5年~7年と言われますが、あくまで平均であって、長い方だと20年以上変わらず歯に入ったままの方も多くいらっしゃいます。

銀歯の大きな欠点は見た目ですが、利点としては壊れたりすることが無く、虫歯にならなければ長期間安定して維持し、摩耗も少なく噛み合う歯との噛み合わせが大きく悪くならないとも言えます。
近年は、レジンと言うプラスティック樹脂が用いられ、キャドキャム(CAD/CAM)というこちらもプラスティック材料ですが、白い材料が使われることが多いです。
なぜかというと、昨今、金属の値段が高騰し材料代がかかってしまう背景があります。保険適応している以上、国としても財源をかけたくないので、安価な材料を使用するように路線を変えました。また見た目も白いので受け入れられやすいです。

しかし、それって歯のためになっているのでしょうか?

レジンは所詮レジンです。
硬さは歯より柔らかく強度は無く、耐久性は約2~3年とも言われます。もって5年といったところです。しかし、ただ5年もったということだけで、摩耗や劣化が起こり著しく形が変わっています。
それに伴い、噛みあう歯や、隣の歯がズレる現象が起こります。ミクロ単位なので、患者さんはもちろん、歯科医師ですら気づいていません。

では定期的に交換するのか?
歯はモノではありません。車のパーツ交換とは訳が違います。
その都度、古い材料を削り、その際に少なからず健康な歯は削る必要があります。
5年で交換したとして、2,3回治療をすると、歯の中の神経(歯髄)が出てきます。
人の長い人生の上で、その考え方は間違っていると思います。

長い年月、少なくても10年~15年くらいは歯を守れる材料を用いて、しっかりと治療してあげる方が、歯にとって良い治療で、歯の寿命を長くします。

話が少しそれましたが、意外と銀歯はコスパがよく、噛み合わせも長期安定できる材料ではあります。

当院では、
・虫歯になっている場合
・患者さんの審美的な希望がある場合
以外は無理に銀歯を外さない事も多くあります。

その方のお口の中と歯の状態によって治療方針は異なります。
気になる方は検査だけでもお気軽にお越しください(^^)/

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